自慢の割烹料理と、女将のあたたかな心遣いにほっとする
割烹旅館吉田屋
自慢の割烹料理と、女将のあたたかな心遣いにほっとする
義母から受け継いだ、割烹料理と宿
「焼き物の箱書きを確認したら、明治時代だったのよ」いつから旅館の営業をされているのかお伺いすると、割烹旅館吉田屋の女将、小林敏子さんはにこやかに話して下さいました。明治時代にはすでに旅館を営まれていたという吉田屋さん。女将さんは嫁いだ先業が旅館で、当初はお義母さんが割烹料理を作って、それを手伝いながら部屋の掃除などを任されていたのだけれど、気づけば跡を継ぐことに。「継ぐつもりはなかったんだけど、流れでね」少しはにかみながらも、現在は前女将直伝の割烹料理とあたたかなおもてなしで、日々お客様を迎え入れています。

会津本郷焼・瀬戸町通り唯一の宿
会津若松市から本郷大橋を渡ってすぐの会津美里町本郷地区。会津本郷焼の窯元さんが点在する瀬戸町通りで唯一の宿が吉田屋さんです。本郷焼を求める観光客はもちろん、出張の方や会津総合運動公園でのスポーツイベントに参加の団体の方など、幅広くお客様を受け入れています。全室和室のお部屋は、まさにふるさとの家のようにゆったりとくつろぐことも。また、宿とは別に割烹料理屋も営まれていて、地域の集まりや懇親会で利用をされてきました。

割烹料理と温かなおもてなし
料理は宿泊プランによって異なり、それぞれのニーズや好みに合わせて提供をして下さいます。「出張の方だと毎日豪華な食事でも疲れるでしょう。その分シンプルなメニューにして、毎日献立を変えてお出ししているの。2週間くらいなら、違ったお食事を出せるかしら」と小林さん。ビジネスホテルではできない心づくしのおもてなしです。以前台湾からご旅行で訪れた方も、こんなに毎日違うメニューを食べられるところは初めてだ、と感動されて帰国されたそう。「温泉もないし、出来ることはお料理を楽しんでもらうだけ」ひかえめな言葉の中に、お料理に対する熱意と自信が伺えます。
また館内には、毎日生花が生けられています。「植物があると癒されるでしょう。ほっとしてもらいたいから、必ず生けるようにしているのよ」そんなお話も伺いました。お庭にも花が咲き、観光地や仕事から帰った際に、やさしく迎えてくれます。

吉田屋を拠点に、向羽黒山城跡散策や窯元巡りへ
小林さんに本郷地区のおすすめの場所を伺うと、白鳳山公園の名前が上がりました。観音山、羽黒山、岩崎山の白鳳三山からなる公園は、磐梯山や飯豊連峰を美しく眺めることができます。また、戦国時代会津を治めた蘆名盛氏が8年もの歳月をかけて築城した向羽黒山城跡もあり、歴史に思いを馳せることも。

そして、もうひとつ。この地域は水路が多く残り、昔ながらの迷路のように入り組んだ裏路地歩きが楽しい場所でもあります。小さな公園も多くあり、まち歩きや窯元さん巡りをしながら途中の公園で一息つくことも。会津若松・大内宿へも近いため、会津一帯の旅の拠点にもおすすめの宿です。
ご自身も旅行へ行かれたり、旅雑誌やテレビの紀行番組を観るのが好きだとおっしゃっている小林さん。館内にもさりげなく、色々な場所で手に入れた小物が飾られています。美味しいお料理と温かな小林さんの笑顔のもとを、訪れてみてはいかがでしょうか。