田園と会津の山に包まれて過ごす、
やすらぎのひととき
会津野
田園と会津の山に包まれて過ごす、
やすらぎのひととき
“つながり”を大切に。旅好きのご夫婦が営む宿「会津野」
町内で稲作が盛んな地域にあり、眼前に田園風景が悠然と広がる「会津野」。全国の盆地を渡り歩いた“盆地フリーク”の長谷川洋一さんが奥さまの美穂さんと移住し、始めたのがこの宿です。
ここはかつて、ビールの原料であるホップの処理場でした。旅仲間たちとリノベーションし、宿泊施設として生まれ変わったのです。会津に魅せられた旅人たちを迎え入れ、20年以上の月日を重ねています。
自然に癒され、人々とのふれあいが楽しめる
お客さまの中には、ひとり旅からここで出会い夫婦となり、その後家族で泊まるようになった方々も。日々の疲れを癒すために自由な時間を求める人や、会津の歴史に興味を持つ外国人がよくやって来ます。
「会津藩の旗に描かれた図柄にはどんな意味があるの?」
「戦の部隊ではない一般の家に家紋があるのはなぜ?」
外国人から難しい質問が飛び出すこともしばしば。ご主人の洋一さんは、「なんとか英語で応えているが難しい」と苦笑いしていました。
ひとり旅から友だち、家族――訪れた人々とのかかわりを、大切にしている長谷川さんご夫婦。宿を始めたのも人とかかわる仕事がしたいという想いから。談話室の大きなテーブルを囲み、夜な夜な旅人との語らいを楽しんでいます。洋一さんはたくさんの趣味をお持ちで、豊富な知識にみなさんもきっと驚くのではないでしょうか。
地域から求められ始めたパンづくり
宿を包むあたたかな空気は、おふたりのやさしさがにじみでています。宿泊施設のほか「あいづのパン工房」も併設されています。キッチンから漂ってくる香ばしいにおいは、お料理好きの奥さまが丹精こめて焼くパンのもの。地域の方から「宿泊者以外にもパンをつくってほしい」と要望があり、焼き続けてもう20年になります。
5年前からはパンの販売店を開きました。店頭での無人販売のほか第1・3土曜日は会津若松市で開催されている「あいづ朝市」にも出店されています。
つながりから、広がり深まる旅へ
旅先で出会った長谷川さんご夫婦。宿を営みながら、人生の大半が旅と隣り合わせの暮らし。洋一さんにとっての旅は、いろいろな人々の価値観に触れ、新たな知識を得ることです。
「旅は人との交流から新しい考えに出会い、文化や歴史などを発見するよろこびにあふれています」
奥さまの美穂さんも同じく、旅をひと言で表すなら「人」だと言います。
「旅先で地域の人と一緒にご飯を食べたり、語り合ったりする時間がとても楽しかったんです。その土地や人々に密着して旅をすると、素敵な体験ができると思います」
あぜ道や商店街を歩きまちの空気を感じて、地の食材でお腹を満たす――会津美里町での一歩は、新たな出会いにつながる一歩。あなたならではの旅を「会津野」からスタートしてみてはいかがでしょうか。