まちの美味を召し上がれ! 食べて泊まれるトラットリア
Tsubu la Gozzo ( ツブラゴッツォ )
まちの美味を召し上がれ! 食べて泊まれるトラットリア
会津美里町に都会のエッセンスをひとさじ
築150年の古民家を改装し、2020年秋にオープンしたオーベルジュ「Tsubu la Gozzo( ツブラゴッツォ )」。広い敷地内には青空を映したような屋根の母屋、お庭やハーブ畑も。建物はご主人である田代眞人さんのご実家で、奥さまのえり子さんと故郷へ戻ることをきっかけに開業しました。
「オーベルジュ」とは宿泊施設を兼ね備えたレストランのこと。帰り道の心配をせずに、心ゆくまで料理やお酒を楽しめます。
シェフを務める眞人さんは上京後、世界中で活動するプロカメラマンに。海外の料理を食べた経験を活かし、東京でイタリア料理店を経営していました。
スタイリストをしていたえり子さんは、アロマセラピストなどの資格も持つファッションと美容のスペシャリスト。宿では器選びや和食を担当しています。
眞人さんは写真と料理、えり子さんはコーディネートとホリスティック美容――おふたりが長年培ったキャリアの集大成がTsubu la Gozzoなのです。
田代さんご夫婦には会津美里町へ戻ってきたからこそ、地域のために貢献したいという気持ちがあったといいます。
「人を呼びたい、人の流れをこの宿からつくりたいと考えたんです」
美食とおもてなしで心潤う場所
この宿でもっとも大切にしているのは、その人にあったおもてなし。器をひとつ選ぶにも料理やお客さまにぴったりのものを考え、リピーターの方には前回と異なる食事を提供しています。
料理は宿泊数によって変わり、1泊は眞人さんのイタリアン、2泊の場合はえり子さんがふるまう会津の郷土料理です。地産地消、低農薬を目標に地元の食材を仕入れ、自家栽培しているハーブも料理に使っています。
お客さまには「すてきな田舎」での滞在を体感してほしいというおふたり。田畑に囲まれた宿では、喧騒から離れたくつろぎの時間が流れています。田舎暮らしに興味のある人、リフレッシュしたい人にいちおしの場所です。
細やかなおもてなしをするために、宿泊は1日1組。会津の観光や撮影ポイントの案内、写真のレクチャーもしています。
移住を検討して泊まりに来た方とは、人生について和気あいあいと語りあったといいます。眞人さんが何より楽しみにしているのは、みんなでお酒を飲むこと。美味しいおつまみとはずむ会話で、お酒も時間もどんどん進みそうです。
東京で生まれ育ったえり子さんが、どんな生活をしているのか知りたくて訪ねるご友人も多いといいます。
「空気も水も食べ物もおいしい、また来たい、とみなさんおっしゃるんです」
えり子さんは「人生の選択は間違っていなかった」と、うれしそうに言葉を重ねました。
趣味からプロに。活動の源は「好き」の気持ち
気さくで明るい田代さんご夫婦には趣味がいっぱい。はつらつとした笑顔の秘訣は、人生をとことん楽しむ姿勢にあるように感じます。
えり子さんは美容と健康に関する知識が豊富で、旅行が大好き。自分と向き合い、充電をするため年に一度、1~2週間のひとり旅を続けてきました。だからこそ、宿ではお客さまにリラックスしてほしいと強く思うのだそうです。
眞人さんにとっては、料理も写真もクリエイティブ。DIYなど、とにかくものづくりが好きだといいます。
「あれが食べたい、これをつくりたいというイメージから料理に入ります。スパイスやハーブの組み合わせがあっという間に思いつくんです」
料理のイメージは、いままで食べてきたものから湧いてくるといいます。なんでも食べて、トライ&エラーの精神でぶつかっていく。経験の積み重ねから生まれたイタリアンは、眞人さんにしかつくりだせない味です。
予約制でランチ営業もしており、食堂の大きな窓から見える緑に癒されながら、会津美里町の恵みを堪能できます。日帰り旅行のお昼にもおすすめです。
リラクゼーションルームでは、えり子さんがマッサージや血行不良に効果があるパーレテラピーを行っています。心身ともにリフレッシュして、羽が生えたような足取りで帰路につけるでしょう。