北若豊年櫓踊り
(会津高田)
北若豊年櫓踊り
(会津高田)
毎年、9月14日、15日に北若豊年櫓踊りが開催されます。
15日は大仮装大会ということで、参加者それぞれが工夫を凝らした仮装で大いに盛り上げます。
〇甚句ってなに?
「甚句」とは日本の伝統的な歌謡の一つで、七・七・七・五の形式と、創作が可能なところが特徴です。(地域差あり)
甚句の語源は地の句、神供や、越後の甚句という人名からという説があります。
〇旧高田地区の甚句の特徴
旧高田で開催されている盆踊りはすべて同じ調子と踊りで行われており、高田甚句と呼ばれています。
高田甚句はその昔、南(柳津)から伝えられたそうです。
北若豊年櫓踊りで歌われる歌の種類は年々増え続けていて、今把握されているものだけでも約220曲あるのだそうです。その中から、歌う方の好きな歌やその場の雰囲気に合う歌を選曲しています。
歌には下記のような“定番”と呼ばれるものがあります。
森の梢に 太鼓が響く あれは高田の 盆踊り
「あれは高田の 盆踊り」の部分を北若豊年櫓踊りでは「あれは北若 豊年踊り」というように、踊る場所によって歌詞を一部変更して歌います。
やぐらの上には歌、笛、太鼓の方が一人ずつ、交代の方がそれぞれ1人ずつの計6人が必ず登るように配置されています。
歌は1曲が約1分30秒。だいたい、笛が15曲、太鼓は5~7曲、歌は10曲程度で交代します。
〇北若豊年櫓踊のはじまりと込められた願い
やぐらには昭和55年製作と書かれており、その頃から北若豊年櫓踊りが始まったと言われています。
一般的に、盆踊りは名前の通り慰霊や鎮魂を行う盆の行事として開催されていますが、北若豊年櫓踊りは9月に行われています。
その理由としては、御田神社が伊佐須美神社の別宮である(本宮である伊佐須美神社と関わりの深い神を祀っている)ことが挙げられます。
会津美里町が誇る、2000年の歴史があり会津地名発祥の地との由来がある伊佐須美神社では、例年9月15日に例大祭と呼ばれる重要なお祭りがあり、それに合わせて御田神社で北若豊年櫓踊りを行っているのではないかと言われています。
北若豊年櫓踊りには一般的な盆踊りの鎮魂の願いとともに、五穀豊穣の願いも込められています。
高田甚句にこんな一節があります。
稲の出穂さえ 踊りを見れば うれし黄金の 波を打つ
ちなみに、大仮装大会はおもしろいからという理由で行われているそうです。
仮装をして参加するのは大いに盛り上がり、とても楽しいです。
これからもずっと続いてほしいお祭りです。