読み物「ほのぼの旅する」
新屋敷新田 虫送り
新屋敷新田 虫送り

●新屋敷新田の虫送り
新屋敷新田地区では毎年7月初めに虫送りが行われています。
細い竹の先に虫や作物の絵を描いた半紙をくくりつけて「しんでんばし」まで練り歩きます。
例年だと北新田・南新田に分かれ、最後に橋で合流します。
今年参加した子どもたちは地区の小学生6人ということで、北と南で別れずにみんなで練り歩きました。
歩く際は、虫を追い払うように半紙を振りながら歩いていきます。
橋に到着すると、竹から外した半紙を一斉に川に流します。
虫送りには、田んぼや畑で作物にいたずらをする虫を駆除して豊作を願う意味合いと、その虫たちを供養する意味合いがあるそうです。

●他地域でも行われる虫送り
高田地域尾岐地区で「高橋の虫送り」が行われています。そちらでは虫かごを製作し、虫送りの歌を歌いながら練り歩き宮川に流すのが習わしです。
こちらはコロナ禍の影響で2年ほど休止し、その後再開しましたが様々な事情が重なり虫送りの事業が終了の運びとなってしまいました。
その後令和6年6月に、虫送りへの想いを共有する地区内外の有志によって新しい継承団体が結成され、活動を開始しています。

●地域行事を続けていくこと
新屋敷新田区長の風間さんは
「続けていくことに意味がある。小学生のみなさんが大人になったあとも、虫送りをぜひ続けていってほしい」
と思いを語ってくれました。
時代が移り変わる中で、自然と共に生きる人々の思いは変わらずにこの地で受け継がれています。

ライター 地域おこし協力隊 菅原 (→Instagram)