縁結び、厄除け、財運招福
会津総鎮守・伊佐須美神社
縁結び、厄除け、財運招福
会津総鎮守・伊佐須美神社
会津高田エリアに位置する伊佐須美(いさすみ)神社は、福島県西部で最も社格の高いとされる神社「岩代国一之宮」として、古くから地元の人々に「伊佐須美さま」と呼ばれ親しまれてきました。只見線を途中下車して、道中の安全と良い出会いを祈願しましょう。
会津の名が生まれた場所
会津高田駅から徒歩で20分。駅を背に、昔ながらのお店が点在する「天海大僧正通り(てんかいだいそうじょうどおり)」を真っ直ぐ進み、左に曲がると、森のなかに静かに佇む伊佐須美神社が見えてきます。
2000年前に創建されたとされるこの歴史ある神社は、日本最古の歴史書『古事記』には、崇神天皇の時代に治安維持のため北陸道と東海道からそれぞれ進軍した父子が偶然にもこの地で行き会ったことから、「会津」という地名の起源になったと記されています。
祀られている伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)、大毘古命(おおひこのみこと)、建沼河別命(たけぬなかわわけのみこと)の4柱を総称して、「伊佐須美大明神」と呼ばれています。会津を中心に東海や北陸、東北を開拓し、農林や水産などあらゆる会津文化を生み出した神さまであり、迷いごとがある時に訪れれば、ひらめきや新たな道へと進むパワーを与えくれるはず。
実は、本殿や神楽殿、神饌所などは、2008年の火事によって焼失。そのため現在は仮社殿ですが、ご利益を授かろうと多くの人々が訪れます。
厄を払って、縁を結ぶ
伊弉諾尊と伊弉冉尊の夫婦神を祀っていることから、伊佐須美神社は“会津の縁結び神社”としても有名です。ほかにも交通運輸や土木建築、殖産興業、日常生活の方除けまで広くご利益があるといわれています。
「縁結びの紅葉」
良い出会いを求める方にオススメなのは、境内にある「縁結びの紅葉」。立派なヒノキに寄り添って生えていることから、「寄り添える相手が見つかりますように」と願い事をすると叶うそう。
「厄除玉」
厄除けをしたいなら、「厄除玉」を。ゴルフボールほどの大きさの玉に名前を書き、息を吹き入れて悩みや災いを移したら、「厄割り石」に投げる。玉が割れることで、厄を払ってくれます。パリンと割れると、気分もスッキリ。
おまもりやおみくじも
ほかにも、中指に御守を掛けて参拝し、神さまの気を込めるという「強運御守」や鯉を象った可愛らしいデザインの「恋みくじ」も人気です。
原風景を伝える四季のお祭り
会津の文化をより深く知りたいなら、お祭りの時期に訪れてみるのもひとつ。
「太々神楽・花祝祭」
例えば、毎年4月29日に行われる町の無形民俗文化財に指定されている「太々神楽・花祝祭」は、伊佐須美神社のご神木である薄墨桜の霊を祀り、豊作を祈願してその花びらを餅に混ぜて食すというもの。神話に登場する所作を舞う出雲系神楽を見ることが出来ます。1000年以上続く、全国でも珍しいお祭りです。
「あやめ祭り」
6中旬から7月上旬にかけて行われるのは、「あやめ祭り」。伊佐須美神社にはあやめ苑が併設されていて、梅雨の時期には150種類約10万株が一斉に咲き誇ります。野点茶会やあやめの流し踊りなどを楽しみに約30万人が訪れるそう。
「御田植祭」
伊佐須美神社最大の祭りである「御田植祭」は毎年7月12日に行われ、2019年には「会津の御田植祭」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。地元の小中学生などがまちじゅうを掛け声で響かせながら練り歩く勇壮な「獅子追い」から始まり、農家の長男が女装して踊る伝統の「早乙女踊り」が奉納されるなど、平安時代から続く祈りの姿を見ることが出来ます。
独特な書体の御朱印を授かる
そして全国的に知られているのが、先代の宮司さんがつくられたという御朱印。多くの御朱印は御朱印帳の1ページにおさまるものですが、伊佐須美神社は見開きの中央にいただくのが、ユニークなところ。
「神が宿り、先祖が集うこの場所で、たくさんの人や縁を結び、つながってほしい」と宮司さん。そんな言葉を表すかのように、境内には地元の人、御朱印を求めて訪れた旅人、そして猫やニワトリまでが思い思いの時間を過ごしています。
子どもが境内で遊んでいたり、毎日の参拝が日課になっているおじいちゃんがいたり。今でもまちの人の心の拠り所として愛されている伊佐須美神社。旅の始まりに訪れたい場所のひとつです。
〒969-6263 福島県大沼郡会津美里町字宮林甲4377番地
料金:境内自由参拝。
宝物殿は大人300円、小人150円。団体(20名以上)は一割引。
定休日:年中無休。宝物殿は午前9時から午後4時まで。
電話番号:0242-54-5050