初夏に実る青い宝石
高田梅
初夏に実る青い宝石
高田梅
昔から朝食のおかずやおにぎりの具材として、愛されてきた梅。日本の家庭で親しまれてきた食べ物のひとつです。
会津美里町が「青いダイヤ」と呼ばれる「高田梅(たかだうめ)」の生産地であることを、みなさんはご存知でしょうか。地元の人にとって梅は身近な存在で、庭や畑に梅の木があるのは当たり前の風景なのです。
出荷されるのは暑さの増した梅雨のころ。店先に青々と輝く生梅が並ぶと、まちでは梅仕事がはじまります。
「日本一大きな梅」といわれている高田梅は会津美里町の特産品。昔、旅をしていた僧侶が豊後(現在の大分県)から苗を持ってきたことで栽培がはじまったそうです。
果肉が厚く種は小さいのが特徴で、高品質の梅は1kg あたり約3,000円で取引されるほど。実の表面には毛が少なく、光沢があって手ざわりはつややか。「青いダイヤ」という別名は、その価値の高さや美しさを表しています。
高田梅を梅漬けにするのが、このまちの定番です。梅干しとは違ってカリッとした歯ごたえがあり、酸味は少なめ。最近は塩漬けにした梅を氷砂糖で漬ける甘漬けが人気です。やさしい甘みと塩っけのバランスがとれた味で日々の食卓はもちろん、お茶うけにも登場します。
きっと一度食べたら、やみつきになってしまうはず。
6月になるとスーパーでもお漬物用の大きな瓶や赤シソがたくさん並ぶので、夏の訪れを感じるように。
梅は夏バテ防止にぴったりの食材。梅に含まれるクエン酸は、疲労回復や食欲増進などの効果があるといわれています。畑仕事の休憩に梅漬けをつまんだり、梅シロップを炭酸水で割って飲んだりするのもよさそうです。
今年は高田梅を使って、梅仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
昨年試したなかで、イチオシの梅仕事をご紹介! なにをつくろうかお悩みの方、脱マンネリしたい方、ぜひご覧ください。
梅仕事2021の記録
●はちみつ漬け
漬けてから3日でできる、お手軽な梅仕事。梅漬けのようにシャリっとした食感で塩味が効いています。はちみつ液は煮込み料理やドレッシングの材料になりそうです。
●甘露煮
鍋だと手間のかかる梅の甘露煮も、炊飯器の保温機能を使えば簡単です。お箸でつまむと崩れてしまうほど柔らかくなります。お茶うけやお酒のおともにうってつけ。大きな高田梅を使ったので、かなり貫禄がありました。
●黒糖泡盛梅酒(写真右)
こちらは梅酒の変わり種。氷砂糖を使わずに黒糖と泡盛で梅酒をつくりました。
こっくり濃厚な味わいなので、炭酸割りにすると飲みやすいと思います。
●スパイス梅酒(写真左)
ブランデーとシナモンスティック、クローブと一緒に梅をお酒に漬けてみました。
スパイスの爽やかな香りがブランデー独特の甘さをすっきり整えてくれます。
お菓子の材料に使ってもよさそうです。
シロップや梅酒で漬けた梅の使い道に悩んだら、刻んでジャムにするのがおすすめ。
ヨーグルトやスコーン、クラッカーのおともにぴったりです。